用語集(土地売買特化)
用語集(土地売買特化)
トグルホールディングスの向き合うメイン市場は、不動産の中でも土地の売買です。 土地の売買プロセスにおいて飛び交う専門用語の説明を記載します。 この用語集は、エンジニアを含め、社員のオンボーディング時の学習材料として活用しています。
土地
土地図面
公図
およその土地の形を知るための地図データ。地番単位で表示されている。オンラインでダウンロードするか、なければ地方自治体に行って受け取る。ポリゴンの正確さは100%ではないが、周りの土地との関係も視認できる。
測量図
土地ポリゴンの1辺ずつを正確に測定した図。行政公認資料。公図よりも形の詳細がわかるが、周辺の土地との関連はわかりにくい。確定測量図、分割求積図、現況測量図、など種類があるが、どれも精度が高く、VC(ボリュームチェック)目的であれば、どれも大差はない。
https://www.home4u.jp/sell/juku/course/basic/sell-530-35571
土地情報
敷地
土地のこと
セットバックがない場合、有効宅地=敷地となる
有効宅地
宅地として有効な敷地。敷地から、道路として献上しないといけない部分を引いた部分。
セットバック
ざっくり言えば、敷地の一部を道路として献上すること。セットバックが必要な場合、宅地として使えない土地を余分に買わないといけないことになる。セットバックを必要とする最もメジャーなユースケースは、前面道路幅員4m以下で道路が2項道路の時。建築基準法の改訂により、昔は4m未満の道路幅でもよかったが、次改築する場合は道路広げてね、という法改正による影響が大きい。
道路後退とも言う
隣地境界線
敷地の境界につける名前の一つ。境界の向こう側がおうちなど。
道路境界線
敷地の境界につける名前の一つ。境界の向こう側が道路。
前面道路幅員
敷地の前にある道路の横幅
接道(=接道間口)
道路境界線の長さ(複数方角ある場合はそれぞれ記述される)
鉄筋コンクリート造の建築物を建てたい場合、重機が入る幅を確保するために、6.5mほど接道が確保された土地であることが望ましい
逆に接道6.5m未満の土地は、重機を必要としない、鉄骨造、木造の建物を建てる業者が買いたい
2mより狭い接道条件だと、人が住む家を建てられない(=再建築不可)。主な理由は、脱出経路を安全に確保するため。
角地
120度以下の角度をなす2つの道路に面している敷地(他にも条件あり)
旗竿地
変形敷地の一つ。敷地延長と同じ意味。敷地延長は、「しきえん」などと略される。
法令上の制限
用途地域
地方自治体によって定められた、何の用途をメインとして使う土地か?をラベリングしたもの。「第一種低層住居地域」など
用途地域の種類によって、およその建蔽率、容積率が定められている。が、一意ではない。
「第一種低層住居地域」と言っても、地方自治体によって、上限建蔽率が40%のところもあれば、60%のところもある。
https://house.home4u.jp/contents/land-11-7324
高度地区
地方自治体によって定められた、建物の高さを制限するためのラベリング。高度地区の種類の違いは、高さの上限を決めるにあたっての、地面からみた時の角度などが異なる。
高さ制限
絶対的な高さの制限があるところもある。制限がない地域もある。
日影規制
周辺の日当たりを確保するために定められた条件。地方自治体ごとにラベリングしている。ないエリアもある。
天空率
2000年頃の法律改正によって定められた新しい概念。地面から見た時の、空の領域を確保してくれれば、斜線制限を守らなくてもいいよ、というもの。
階段状など、斜めに建てるしかなかった建物は、この法改正により、(細くして天空を確保すれば)直方体に近い綺麗な建物が、上のほうまで建てられるようになる。
建物
法令上の制限
建蔽率
建築面積/敷地のこと
用途地域ごとに、建蔽率の上限が指定されている
角地である、防火建築物にする、などの条件により、建蔽率の上限は増える
法定建蔽率、基準建蔽率がある。
容積率
容積対象床面積/有効宅地面積
建蔽率と同じく、用途地域ごとに上限が指定されている
指定容積率、基準容積率、消化容積率がある。 指定容積率 >= 基準容積率 >= 消化容積率 である。
指定容積率:用途地域のみから定められた容積率
基準容積率:用途地域と、その他の地方自治体が定めた条件に基づく上限の容積率。多くの場合、前面道路幅の影響を受けて、指定容積率よりも小さい値となる。
消化容積率:建物をプランニングした時に、どれだけの容積対象床面積を取れるか?から求まる値。当然基準容積率より小さい値でないといけないし、基準容積率分全て消化できていることが望ましい。
建物のプランニング
VC
ボリュームチェックの略
この建物には、どれくらいの大きさ・部屋割りの建物を建てられるの?のチェック。
明確な定義はないが、「現実的な建物としての形状で、斜線制限、日影規制をクリアし、容積を最大消化し、条例を守った部屋割りができる建物」であるほど望ましい。
不動産開発業者は、経験に基づき、概算でボリュームチェックしたのちに、より正確なボリュームチェックを実施するために、建築士・設計事務所に依頼する。だいたいこれは1件3万〜5万くらいかかり、最短で2営業日とかでやってくれる。が、最短で、と何度もお願いすると嫌われる。(建築士にとっては土地買ってもらってからが本当のやりたい仕事なので)
トグルでは、rook2やbukurouを使って、簡易的なボリュームチェックをおこなうが、あくまでも概算のため、土地を買う前には、設計事務所に依頼して、正確なボリュームチェックを実施している。
容積対象床面積
土地を投資商品として見る時に最も基礎になる数値。
容積対象床面積が最大になり、かつ家賃が最大になり、建築費が最も低いアセットを企画できれば、それが最強。
延べ床面積から、屋内廊下などを除いたもの
マンションの場合、管理人室や、駐輪場などは、容積対象床に含まれるが、家賃は発生しないので、投資家としては、なるべく入れないようにしたい
消化容積率
容積対象床面積/有効宅地面積 で表されるもの。基準容積率に近いほど、「貸せる床面積が広い」ことを意味し、投資の観点ではよいとされる。
延べ床面積
容積対象床面積と混同しやすいが、違うもの。
容積対象床面積以上の値になる。
建物内部の設計によらず、建物の床面積を全部計算したもの。特に法律的制約は生まれないことが多い。
出典: https://www.kokukan.jp/_p/acre/25648/documents/B7FAC3DBCCCCC0D1A4CBB4D8A4B9A4EBB4F0C1C3C3CEBCB128H26.7.1B2FEC0B529.pdf
建物間口
建物の入り口の幅
斜線制限
道路斜線:土地の周りの道路条件から計算される、建築基準法に基づく建物を建てる時の制限。
隣地斜線:土地の周りの隣地条件から計算される、建築基準法に基づく建物を建てる時の制限。
北側斜線:土地の周りの北側境界線から計算される、建築基準法に基づく建物を建てる時の制限。
条例
建築基準法とは別に、建物を企画する時に守らなければならないもの
地方自治体によって定義されるため、細かく把握していくことが必要となる
東京都全域にかかる東京都安全条例や、集合住宅の建築及び管理に関する条例(◯◯区)のような市区町村単位のものもある
特に、集合住宅の建築及び管理に関する条例は、ワンルーム条例などと呼ばれる。が、ワンルーム条例というものはなく俗称。
例)12戸以上の部屋を含む共同住宅を建築する場合は、1部屋あたりの広さは25㎡以上でなければならない。など
類似したものに、ワンルーム要項、というものもある。条例ではないので、義務ではないが、守ることが推奨される
上記までを理解していれば、条例がないほうが、利回りの高い物件にしやすい、ということは想像される。
上場企業など、評判を大事にする方々が不動産投資をする際は、要項も守りたいと思う一方で、個人投資家などは、評判など気にしないので、利回り優先で要項を守らないこともある。これを「ワンルーム要項崩し」と呼んだりする。
金額
単価の考え方
坪単価
100坪1億円の土地は、坪単価100万円
都心だと坪300-500万などが普通。1000万を超えることもある。山手線の外側にいくと、200万を切るものも出始める。東京の外に出れば15万とかにもなる。
ただし、土地の価値は、どれだけ建物を上に伸ばせるかによって異なるので、あまり重要な指標ではない。
一種単価
不動産開発では、一種単価が最も標準的な土地金額を見る指標になる
土地金額/(土地坪*消化容積率)で計算される。つまり、床面積1坪あたり土地代いくら?を示したもの。
割と、エリアによって収束している。都心は300万、山手線の内側は200-250万、23区内は150-200万、23区外は100万、など。
賃料/コンプス
賃料
賃料
そこに建物を建てたとして、いくらで人が住むのか。アセット(や建物のグレード)によって異なる。
不動産を投資として見る場合、利回りの元になる収入は、賃料からしか発生しない
利回り
保有グロス利回り
「グロス」は「総計」の意味
常時満室稼働した場合の年間家賃/(土地代+建築費)で計算される
金利によるコストを分母に計上しない(トグルでは)
東京で1Kマンションを建てるデベロッパーは、保有グロス利回りがX%以上、などが最も簡易なクライテリアになったりする(トグルレジデンスでは4.8%と定めている)
NOI利回り/キャップレート
NOIとは、net operation incomeの略。コストを差し引いて、実質的に年間いくら収入があるの?のこと
(年間家賃 - Σ {運営のコスト、空室募集費用、広告費用など})/(土地代+建築費)で計算される
多くの場合、NOI利回りのことを、単にNOIと呼ぶ。
キャップレートと呼ばれるものも、同じものを指す。
投資商品としては高いほど良いが、値下がりリスクの低い物件のほうが、低い値となる。
これは、投資回収を期待値で考えた時、例えば、エリアの不利(値下がりリスク高)と、回収までの時間の長さが、市場原理として逆相関するからである
投資商品としては、「値下がり有利×長期」「値下がり不利×短期」でバランスが取れることとなり、値下がり有利→長期投資が必須→キャップレートは低い、という流れである。相場は3~4%(25年〜33年で回収)
投資家は立地、アセット、キャップレートなどを必須で確認する
コンプス
コンプス
類似条件のものを探そう、という時に使われる言葉
Comps:Comparable Company Analysisの略が由来
賃料コンプス、土地売買コンプス、キャップレートコンプス、など、比較したい要素それぞれにコンプスが発生する
No category(トグル固有のニュアンス含む)
クライテリア
買いニーズのこと。土地の物件の場合、エリア、土地面積、容積率、金額規模、などで定められる
アセット
投資商品としての「建物」「箱」のイメージ
asset=資産=土地+建物、から由来
その土地に対して最も投資対象として
「用途」と言ってもよいかもしれない。レジ、オフィス、ホテルなど
より細かく言えば、アセット×グレード(木造・鉄骨造、など)
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