文書作成の基本
読みやすく伝わりやすい文書作成は、会社の生産性向上に寄与するだけでなく、残された文書の資産価値も左右する重要なことですので、是非良い文章作成のスキルを身に着けてください。
必読書
要点
1940年、潰滅の危機に瀕した英国の宰相の座についたウィンストン・チャーチルは、政府各部局の長に次のようなメモを送った。
われわれの職務を遂行するには大量の書類を読まねばならぬ。その書類のほとんどすべてが長すぎる。時間が無駄だし、要点をみつけるのに手間がかかる。同僚諸兄とその部下の方々に、報告書をもっと短くするようにご配意ねがいたい。
(ⅰ)報告書は、要点をそれぞれ短い、歯切れのいいパラグラフにまとめて書け。 (ⅱ)複雑な要因の分析にもとづく報告や、統計にもとづく報告では、要因の分析や統計は付録とせよ。 (ⅲ)正式の報告書でなく見出しだけを並べたメモを用意し,必要に応じて口頭でおぎなったほうがいい場合が多い。 (ⅳ)次のような言い方はやめよう
「次の諸点を心に留めておくことも重要である」 「…… を実行する可能性も考慮すべきである」。
この種のもってまわった言い廻しは埋草にすぎない。省くか、ひと言で言い切れ。 思い切って、短い、パッと意味の通じる言い方を使え。くだけすぎた言い方でもかまわない。 私のいうように書いた報告書は、一見、官庁用語をならべ立てた文書とくらべて荒っぽいかもしれない。しかし、時間はうんと節約できるし、真の要点だけを簡潔に述べる訓練は考えを明確にするにも役立つ。 (出典:木下是雄著作「理科系の作文技術」中公新書1981年)
良い文書とは
正しい
誤字脱字、文法誤り、内容誤りがない
簡潔
冗長な表現を避ける、1文1事案、冒頭に主張
読みやすい
表記の揺れ・曖昧さがない、長さが適切
文書を書く際に留意するべき事
文章の基本は、相手と目的の理解です。最も大事なことは「誰に」「どのような目的で」作成するかを明らかにすることです。文書は以下のような目的で書かれるわけですが、それぞれに必要な要素は変わってきます。
情報収集
説明や報告
議論
決める
説得・誘導
お断り
情報収集の例
タイトル: 顧客アンケート回答のお願い
誰に: 弊社の製品をご利用いただいているお客様に対して
どのような目的で: 製品の改善やサービスの向上のための意見やフィードバックを収集するため
例文:
説明や報告の例
タイトル: 会議結果報告書
誰に: 開催した会議の参加者や関係者に対して
どのような目的で: 会議の内容や議題について明確に説明し、参加者や関係者に情報を提供するため
例文:
議論の例
タイトル: プロジェクト戦略に関する討論会のお知らせ
誰に: プロジェクトに関与するチームメンバーや関係者に対して
どのような目的で: プロジェクトの戦略や重要な意思決定について議論を促し、参加者の意見を引き出すため
例文:
決めるときの例
タイトル: 重要な意思決定についての協力のお願い
誰に: 意思決定に関与する関係者やメンバーに対して
どのような目的で: 選択肢や意見を提供し、重要な決定を行うための協力を依頼するため
例文:
説得・誘導の例
タイトル: 新製品導入に関する提案と説明
誰に: 関係者や上位管理職などの意思決定者に対して
どのような目的で: 新製品導入のメリットや市場へのアピールを説明し、承認や支持を得るため
例文:
お断りの例
タイトル: 参加依頼のお断りのご連絡
誰に: 依頼主や招待された関係者に対して
どのような目的で: 依頼や招待に対してお断りの意思を明確に伝えるため
例文:
議事録
社内における議事録は、透明性確保の観点からSlackチャンネル「#all-4-議事録」にスレッドを立ててそこに記載してください。
議事録の要点
開催日時と場所: 会議が行われた日時と場所を明記します。
出席者と欠席者: 会議に出席したメンバーや参加者、欠席者の情報を記録します。
議題: 会議で議論されたテーマや項目を明示します。
議事の進行: 各議題において、議論や意見交換の進行を記録します。
決定事項: 会議で行われた意思決定や合意事項をまとめて記述します。
次回の議題: 今後の会議で取り上げるべき議題やアクションアイテムを明確にします。
次回の開催日時: 次回の会議の日時や場所を記載します。
付記事項: 会議中に特筆すべき事項や重要なメモ、提案などを追記します。
使うとよいツール
テキスト校正くん VSCode拡張
ChatGPT 書き散らした文書を整理するなど
最終更新